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読書の季節に。サイエンスフィクションで、ちょっと先の未来を考えてみる

サイエンスフィクションは未来を予測する?

1992年、アメリカのSF作家、ニール・スティーヴンスンが「スノウ・クラッシュ」というSF(サイエンスフィクション)小説を発表しました。

小説の中には、コンピューター上に自分を投影したキャラクターである「アバター」や、アバターが活動する世界である仮想空間「メタヴァース」が登場します。2022年現在、わたしたちが、最近、耳にするようになった言葉が30年前に発表された作品の中に登場しているのです。

まだスマートフォンどころか、インターネットすら今ほど普及していなかった時代に、いったいどうしたら、こんな発想が生まれるのか。今、改めて作品を読んでみて、良い意味で違和感を感じさせない、その発想力に驚かされました。

この作品は、Googleの創業者を始め、多くのIT企業の創業者らに愛読されており、これらの企業が提供する技術やビジネスに大きな影響を与えたと言われています。同じようにSF作品やアニメを見て、夢をふくらませ、ロボットや便利な道具をつくりたい、などと子供心に思ったことのある人も少なくないのではないでしょうか。

SFの発想をイノベーションに

そんな現実世界にも影響を与えるSFの空想力を用いて、未来を考えようという発想の手法が注目されています。SFプロトタイピングと呼ばれるこの手法は、サイエンス・フィクションを創作しながら、新しいビジョンや事業のアイデアに活かしていきます。現状からの予測を積み上げて考えていては、行き詰ってしまうところを、SFが人のイメージを駆り立てる力を使って、未来から発想し、イノベーションを起こしたい、と考えて取り組んでいる企業が増えています。

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SFを実現した? Green Planet

改めまして、こんにちは、カネカ生分解性バイオポリマー Green Planet|公式note編集部です。読書の秋……、には少し出遅れてしまいましたが、今回は記事担当:片平が、ずっと気になっていて最近読んだSF小説「スノウ・クラッシュ」の紹介から、お届けしました。

「スノウ・クラッシュ」が発表されたのは1992年。それと同じ、およそ30年前、カネカ生分解性バイオポリマー Green Planet®(以下、Green Planet)の研究開発がはじまりました。化石資源を原料とせず、プラスチックの代わりになり、さらに自然の中で分解される素材、というのは、当時、もしかしたらSFの中の話のように聞こえたかもしれません。
それでも、素材の力で環境汚染を解決する未来を目指して、一つひとつ、研究を進めてきた結果、今、現実のものとして届けられるようになりました。

こうして見ると、ストローやスプーンなど、およそSF作品に登場するアイテムらしくはありませんが、Green Planet には、先端のバイオテクノロジーをはじめ、さまざまな技術が詰まっています

まだまだ研究開発も道半ばですが、世の中にGreen Planet を届けていくため、こうしてnoteで様々なストーリーを伝えるのも、研究を始めた当時の人たちが思い描いた未来の姿を現実にしていく大切な一歩だと思っています。

次にやってくる未来は?

ただ、この30年の間に変わったのは、素材だけではありません。解決すべき環境問題も大きく変わってきました。例えば、海に流出してしまうプラスチックごみの問題は1990年以前から知られていましたが、非常に小さなサイズで環境中に存在するマイクロプラスチックの存在や、マイクロプラスチックによる環境への影響が明らかになってきたのは、ここ10年ほどのことです。他にも、気候変動や生物多様性の問題も深刻さを増しています。さらに他にも、今のわたしたちは気づいていないような問題が、これからまだまだ出てくることでしょう。

未来をつくっていく技術に

これらの問題に、現在のGreen Planet が応えられることもあれば、まだ十分ではないこともあります。これから先、どんな素材、どんな技術があれば、こうした問題を解決していけるのでしょうか。

経営学者ピーター・ドラッカーは、「未来を予測する最良の方法は、未来を自分で創造することだ」と言いました。研究開発を積み重ねて、次の未来をつくる助けになっていきたい、とわたしたちは思っています。

サイエンスフィクションは未来を考えさせてくれる

そうは言っても、研究開発は一日にしてならず。明日、急に新たな素材が開発できるわけでも、アイデアが湧き出てくるわけでもありません。ただ、サイエンスフィクションが、こんな風に未来のことを考えるきっかけになります。読書の秋に、それ以外の季節でも、何かの思わぬ気づきを与えてくれる本を探してみてはいかがでしょう。

このアカウントではGreen Planet の開発に携わる研究者の想いや、環境を守る活動に携わる人々を紹介していきます。自分なりに環境との向き合い方を考えてみることが、未来をつくっていく一歩です。その最初のきっかけとして読んでいただけると、うれしいです。これからの記事にもぜひご期待ください。

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